2018-08-22更新

内線IP電話機を利用して出張所の電話を効率化

出張所を多く持ち、それぞれに数人しか人を置かない会社様もあります。
出張所の方との連絡は携帯で、という方法もあるでしょうが、問題も多いと思います。
そういった場合には内線IP電話機を利用すると便利です。

内線IP電話機の仕組み

内線IP電話機の構成概要は図1の様になります。

図1 内線IP電話機の構成概要

内線IP電話機はネットワーク端末の為、どこでも同じ様に使用できます。

導入例

私の携わった導入例ですが、本社にコールセンターがあり、通話録音システム・着信応答システム・着信分配システム・留守番電話システム・電話応答履歴管理システムを構築していました。
 導入後地域密着の営業所をいくつか開設したい。営業所は人が少なく不在の事もあるので電話に出る事ができないときや不在の時に本社で代わりに電話に出たいという要望がありました。そのため営業所に内線IP電話機を設置しました。 これにより各営業所は電話に出れないときも不在の時も本社コールセンターのバックアップを受ける事ができ、コールセンターシステムも同じ様に利用できました(図2)。

図2 内線IP電話機導入例

問題点は使用している交換機は営業所のある地域の電話回線を収容できませんでした。そこで営業所の電話番号はフリーダイヤルを使用しました。そのため都内に本社・神奈川と埼玉に営業所という構成でも全く問題ありませんでした。

内線IP電話機ならではのメリット

各拠点の内線IP電話機は通常のビジネスフォンとほとんど全く同じ様に使えます。これにより例えば次の様なメリットが出てきます。

メリット例1:出張所に誰もいなくなった時には本社で電話を受けてもらえる
メリット例2:本社で受けた電話を保留して出張所に転送できる
メリット例3:出張所で受けきれなかった電話を本社で代わりに受ける
メリット例4:出張所の電話用回線が不要になる

これは携帯電話やボイスワープではできない大きなメリットです。

内線IP電話機のデメリット

内線IP電話機は電源が必要
内線IP電話機はLANケーブルで交換機と接続されています。LANケーブルは標準では電気の供給機能がありません。そのため各内線IP電話機に電気を供給するために
 1:電源供給機能を持ったハブを利用する
 2:ACアダプターを利用する
のいずれかが必要です。数台であれば2でいいのですが、台数が多い場合には1を選択しないとコンセントが足りなくなると思います。
 1の場合には必ず予備のハブを準備して下さい。電源供給機能を持ったハブは手に入りにくいからです。ハブが故障して数日間電話が使えないという事も起こりえます。

海外への電話料金を激減させる内線IP電話機

詳細はこちらに記していますが、メーカーによっては交換機のない拠点の電話回線も交換機に収容できます。そのため海外への電話をその国の国内料金でかける事が可能です。しかも発信方法は国内の場合とほとんど変わりません。
 特定国への電話料金が高い場合には検討の価値があると思います(図3)。

図3 海外拠点の電話回線を利用した通話で電話料金を削減

データ回線との統合で通信経費が0に

どんな小さな出張所でも本社とのデータ通信は行います。このデータ通信用回線を音声通話でも利用すれば電話用の回線費用は無料になります。内線IP電話機の台数が多くてデータ通信を圧迫しない限りはこの運用で十分です。
データ回線は統合したいがネットワークは分けたい方はこちら

内線IP電話機導入に関する注意点

メーカーによって性能が全く違う

 メーカーによって性能が全く違いますのでできるだけ多くのディーラーから話を聞き機能の違いを確認した上で導入して下さい。
 ネットワークに強い電話工事業者は少ない ネットワークに強い電話業者は残念ながら少ないです。電話業者は専門が電話ですからIPというネットワーク分野には強くない人が多いです。設定をしている人は「設定の仕方は知ってるがネットワークの構築はできない」という場合が多く、構築ができる人は個人的に勉強をしてできるようになったという場合が多いようです。
 大手のベンダーであれば対応可能ですが、中小の電話工事業者に比べ金額はずっと高くなります。

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