海外へのFAX料金大幅削減

インターネットFAXによる海外へのFAX料金削減提案

現在文書の送信はEメールが主流ですが、FAXもまだまだ利用されてます。海外への通信は安くなったとはいえ国内に比べれば高くなってしまいます。
 そこで海外へのFAX料金を激減させる方法をご紹介します。

使用条件

使用機器:東芝テック製複合機「e-STUDIO」(他社製品は対応していません)

FAX送信料金の削減方法

システム構成は図1の様になります。
 「e-STUDIO」を国内・海外拠点に設置する事で、日本から海外中継拠点まではインターネット経由、海外中継拠点からは電話回線経由になります。このため通信経費が大幅に削減されます。

FAXの送信方法

「e-STUDIO」を社内ネットワークに接続し、メールアドレスを設定します。
 「FAX番号@ドメイン名(例: +81354607914 @ifax.tie.co.jp)」
 と入力すれば海外中継拠点経由で送信できます。
 ・東京・大阪から海外中継拠点にはインターネット経由で送信
 ・海外中継拠点から得意先・取引先・「e-STUDIO」を設置していない拠点には電話回線で送信
します。東京・大阪と海外中継拠点との通信は無料になり、送信国内料金のみの課金で済みます。

海外中継拠点について

国によっては、地域によって国内電話料金が違っているようです。
 例えば中国国内の4つの地域、上海・香港・青島・蘇州で国内電話料金を比較した事があります。その結果地域によって50%以上の開きがありました。
 中継拠点は対象国の国内電話料金を比較して選ぶ事をお勧めします。

内線IP電話で国際電話代を激減!

IP交換機・IP内線機器を利用して海外の電話料金を大幅削減

海外への電話が多く、国際電話料金の削減に知恵を絞っている会社様も多いと思います。
 そういった場合にはIP交換機・IP内線機器を利用すると通話料金を現在の10分の1以下にする事も可能です。

IP交換機による海外への電話料金削減システム

 こちらでも書きましたが、メーカーによっては交換機のない拠点の電話回線も交換機に収容できます。そのため海外への電話をその国の国内料金でかける事が可能です。しかも発信方法は国内の場合とほとんど変わりません。(図1)。

図1 IP交換機で海外拠点の電話回線を利用した外線発信の流れ

IP内線機器による海外への電話料金削減システム

IP交換機を導入する事のできない場合には図2の様にIP内線機器を利用すれば海外の電話回線を利用する事ができます。昔でいう専公接続です。

図2 IP内線機器で海外拠点の電話回線を利用した外線発信の流れ

機器を選ぶ時は「ISDN回線相当」のVoIP内線機器を使用して下さい。「OD回線相当」ですと音質劣化の可能性があります。
 発信方法はIP交換機に比べると若干複雑です。例えば海外発信は電話番号の頭に7をつけて発信する様になります。

導入に際する問題点

問題点としては、海外拠点との回線の安定性です。こちらでも述べましたが、中国国内の上海・香港・青島・蘇州と東京・大阪とをインターネットVPNで接続していますが、どこも回線の切断で悩まされています。
 その為ある程度信頼性のある回線を使う事をお勧めします。

海外拠点のない会社様へ

海外に拠点がない会社様へは回線から海外での設備の取り付け代行をします。

ワンストップトラブルシューティング

ワンストップトラブルシューティングが問題の解決を早める

複雑化する情報通信設備

社内の情報通信設備に問題が発生した場合、どの業者に依頼すればいいのかわからなかったり、業者間で責任の投げ合いをされて困った事はありませんか。情報通信設備は日々進化し、複数の情報通信設備が絡み合う様になったため、いざ問題が発生すると問題解決までにずっと時間がかかるようになりました。ではその時間を短縮するにはどうすればいいでしょうか。

分野ごとに業者が分かれると復旧時間と費用の負担が多い

情報通信設備は複数の分野が連携します。連携部分に障害が発生すると復旧に時間かかるだけでなく、どの業者の担当区分かがわからないためどこに依頼をすればわからなく困ってしまいます。業者の側でも人を派遣するのに費用がかかりますので、保守契約をしていたり他の部分でまかなう事ができなければ、無料という訳にはいきません。

図1 互いに連携している情報通信設備_重なり合う部分が連携部分

ここで「IP電話がつながりにくくなった」という障害が発生したとします。今回の原因はIP電話機器とLANケーブルのコネクター部分との相性がもともと悪く、経年劣化により差し込みがあまくなったからですが、それは発見するまでわかりません。
 図2は関係分野の担当業者が確認した場合の障害対応への所見です。ここからIP電話機器に問題があるように思えます。しかし実際の原因は別の所にありますので回復はしてません。

図2 各業者の障害対応の所見_これだけでは原因が特定できない

図3は障害解決までの流れになります。図2では電話設備業者・電話回線提供会社も含めましたが、実際はIP電話機器を調べてもらった時にこの部分に問題がない事がわかっていますので省かれています。

図3 複数の業者が携わる時の障害復旧の流れ

この流れですと合計5回業者に点検依頼をしますので、復旧までの時間も点検費用もかなりかかってしまいます。これは1つの業者であっても分野ごとに部門が分かれている場合はあまり違いがありません。

一人が複数分野に対応できる業者なら復旧時間も費用も安く済む

では一人が複数分野に対応できる場合はどうでしょうか。複合専門家の欄と重複しますが、対応できる複数分野の連携部分・接続部分での対応に優れていてノウハウもありますので連携部分・接続部分での障害発見が早いです。今回の件では図4の様な所見が1回で出てくると思います。

図4 一人が複数分野に対応できる業者の所見_一度で原因が特定できる

そのため問題解決は図5のように1回あるいは少ない回数の訪問で済みますので、復旧までの時間が大幅に短縮します。

図5 一人が複数分野に対応できる業者の障害復旧の流れ

ワンストップトラブルシューティングが特に活きるのは電話回線(インターネット回線含む)・電話配線・LAN配線・ネットワーク設備の4分野です。それはこの4分野が他の分野をつなげる部分だからです。

LANがおかしいという依頼を受けて「LAN配線業者」としてお客様の所へ点検にお伺いする事があります。普通の業者であれば配線だけ確認して終わりですが、私の場合は許可を頂いてお客様のパソコンでPing試験をしたりルーターの設定を確認したりします。そのためLANケーブルの点検だけですと発見できない原因も他の部分で発見できます。

簡単なルーターですとお客様が自分で設定しているケースが多く、何かあった場合のお客様での対応ができません。そのためトータルで点検するとお客様にとても喜ばれます。

御依頼は1分野から大歓迎します

「ネットワーク回線周りだけ見て欲しい」「電話設備はこちらの業者で」という場合でも歓迎です。弊社が保守する部分と関連する部分で障害が発生しましたら、他の分野の業者と連携を取り責任を持って解決を致します。問題解決を早める為の様々な提案、回線・ネットワーク設備の見直し、扱いやすい配線の方法等、をご紹介します。

ISDN+スケジューリングでサーバー用回線が減らせます

デジタル回線の機能とスケジュール管理で通信経費削減

使用頻度は低いが必要不可欠なメンテナンス回線の見直し

サーバー・ネットワーク機器のメンテナンス・バックアップ用に電話回線を多く引いている法人様はとても多いと思います。しかしその電話回線を毎日利用されているかというと、たまにしか・夜間にしか使わないケースが多いのではないでしょうか。

バックアップ回線は1回線で月額2500円から3500円位します。費用頻度の低いメンテナンス・バックアップ用回線の見直しもこれからは必要ではないでしょうか。

図1 サーバー・ネットワーク機器1台毎に1回線を使用している

電話回線の管理の難しさ

電話回線の難しい所は、どこで使用しているか・どこにあるかの確認が難しい所です。電話回線は目に見えないので、差込口から機器を外し何ヶ月か放っておくとわからなくなります。差込口の上に何かを置けば完全にアウトです。今は使わないがとりあえず残しておいた結果、毎月の基本料金だけが無駄に支払われていき、何に使っているのかわからなくなってしまったなんて事が多々あります。

よく「この電話回線を使っているか調べて欲しい」という依頼が来ます。ISDN回線でしたら端末を探さなくても使用未使用の判断がだいたいできますが、アナログ回線ですとそれもできません。しかしどちらの場合でもどこで使っているかは配線を辿っていく必要があり、1時間でも発見できない事もあります。

通信経費削減をもたらすISDN回線の機能

この問題を解決するにはどうすればいいでしょうか。実はISDN回線には便利な機能があります。

という機能です。機能1・2により1本ISDN回線があればTAもアナログモデムも接続できます。機能3によりサーバー・ネットワーク機器毎に個別の番号を割り振る事ができますので、1本のISDN回線だけで複数の機器をメンテナンスできます。機能4により同時に2台メンテナンスできます。使用頻度の低いメンテナンス回線ですからこれで十分ではないでしょうか。 またメンテナンス回線は主に夜間に使用しますから、昼間はFAX回線として利用するのもいいかもしれません。

個別番号を割り振る方法

機器ごとに個別の番号を割り振る方法ですが、2通りあります。1つは無料のサブアドレス着信、1つは有料のダイヤルインです。

サブアドレス着信

サブアドレス着信は発信側もISDN回線である必要がありますが、TAでのメンテナンスが主ですから問題はないでしょう。
 各ISDN機器に別々のサブアドレス番号(内線番号みたいなもの)を登録します。発信側は電話番号+サブアドレス番号で発信するだけです。

図2 1回線のISDN回線をサブアドレスで共有して 複数のサーバー・ネットワーク機器を保守・バックアップ

ダイヤルイン

ダイヤルインは有料のサービス(1番号800円)です。有料となるともったいないですが、ダイヤルインにはアナログ回線からも着信できます。またこの回線をFAXや電話機にも使用する場合には有効な方法だと思います。

図3 1回線のISDN回線をダイヤルインで共有して 複数のサーバー・ネットワーク機器を保守・バックアップ

ちなみにサブアドレス着信とダイヤルインの混在も可能ですし、ダイヤルイン番号ごとのサブアドレスへの着信制限も可能です。

運用方法

サブアドレス・ダイヤルインを利用するときは少ない回線で保守・バックアップを行いますので、運用方法を間違えると問題が発生します。

不定期の保守は仕方ないですが、定期的な保守やバックアップの場合は回線を接続する時間はログから大体わかります。この情報を元に「このメンテナンスは何時から何時」とスケジュールを組みます。そうする事でメンテナンス回線を無駄なく利用する事ができます。

データ通信用回線の注意点

データ通信はNTTのISDN回線でしかできません。ソフトバンクのおとくラインではISDN回線をデータ通信に利用する事はできません。

ISDN回線はデータの内容から音声かデータか他のものかを調べ、それに該当する交換機へ転送します。音声は多少の音飛びがあっても問題ありませんが、データは一切のデータロスが許されません。その為の仕組みになります。しかしおとくラインでは音声のみを提供しているため、データ用交換機がありません。

交換機の回線を利用してメンテナンス

ほとんど知られていないですが、交換機ではISDN機器を内線端末として利用する事もできます。この機能を利用すれば電話に利用している回線をバックアップ用回線にも利用できるので、回線コストを減らすと同時に不明回線が発生せず回線管理も少なくなります。

この場合でもサブアドレスやダイヤルインは使用できます。

データーベースでファイル図書館を

ファイルは作りっぱなしになってませんか

どなたも時間をかけてファイルを作っていると思います。ではそのファイルを一度使った後はどうなってますか。多分ほとんどが埋もれていると思います。
またある人が作ったファイルは別の人が簡単に見つけ出す事ができますか。見つけ出せず似たようなファイルをまた作っている事が多いと思います。
ファイルの作り直しは無駄な時間ですから、ファイルの検索を簡単にできる仕組みがあればTCOが激減します。しかしそのためには誰かがファイルを管理しないといけません。

作成したファイルを管理する「図書館」を導入

図1は作成したファイルを管理する「ファイル図書館」です(30分ほどで作成しました)。これを使用するとデータベースがファイルを管理してくれます。

図1 「ファイルの図書館」のファイル登録画面

次に操作方法を示します。

ファイルの登録

検索がしやすい様に使用アプリケーションや作成者名・ファイルの部類やコメント等も記入できるようにしました。

ファイルの検索

図2 「ファイルの図書館」の検索画面

 図2であればコメント欄に「育児」と入力して検索実行すれば関連データが出てきます。
 検索実行画面を一覧表示にする事も可能です。

ファイルの取出

これで欲しいファイルを取り出す事ができます。

最後に

こういったシステムを効果的に作成していく事で、会社のTCOは劇的に減少します。プログラミングの本で
 「自分が作成したファイルと似たようなファイルを別の人が作成していた。しかし自分も同じ立場だったらやはり作成していると思う。それは作成したファイル一覧が書かれている仕様書は膨大なので、あるかどうかわからないファイルを調べるよりも作った方が早いから。」
という話を読んだ事があります。こういう状況はどんな会社でもあると思いますが、誰もができれば避けたい所です。
 今回は「FileMaker」というアプリケーションを使用しました。

専用線も建物内ではご注意を!

専用線も建物内では安全ではないんです

 「専用線は安全」と思ってませんか。残念ながらそうでもないんです。光ファイバーであれば盗聴は難しいです。メタル回線であってもNTT局舎内はしっかり管理されています。NTT局舎内までの配線も管理が行き届いているので難しいでしょう。
 しかし建物内ではメタル回線は比較的簡単に盗聴できてしまいます。
 ここでは建物内での専用線や重要回線の盗聴を防ぐ為の対策例を書きます。

共用部と専用部で対策を変える

電話回線の盗聴対策は共用部と専用部に分けて対策を立てると効果的です。

共用部の構造と問題点

電話回線は図1のようにNTT局舎からテナント内に引き込まれます。
 MDFにはNTTから来た電話回線が引き込まれます。
 IDF(EPS)にはMDFからのケーブルとテナント内からのケーブルが集まります。
 電話回線はNTT局舎内から電話機・電話交換機まで1本の線で引いている訳ではありません。NTT局舎からMDFまで、MDFーIDF間にあらかじめ配線がしてあります。この配線とNTTからの線をジャンパー線でつなぐ事で電話回線を短時間で配線できます。

図2 NTT局舎から交換機・電話機への電話回線の配線

IDFは1つの階の配線しかありませんが、MDFはビル全体の電話回線が集まるため大量の配線があります(写真1)。多い所ではIDFは200本、MDFは1万本はあります。そのためMDFの中に盗聴用ケーブルがあったとしても探すのは大変です。またMDFのケーブルは何年も使い続けるものが多く、無理に触ると断線してしまう場合もあります。もし電話業者に「盗聴されてると困るから、MDFとIDFを調べてよ」と言ってもまず断られます。何かあったときのリスクが高すぎるからです。
 嫌な話ですが、テナントビルの場合、悪意のある会社が別の階にテナントを借り、MDFやIDFで盗聴用ケーブルを見つからない様につなぎ、自社のテナント内で盗聴データを取得・・・なんて事も可能になってしまいます。

写真1 MDF内の端子とケーブル

共用部の問題と対策

問題1:ジャンパー線は盗聴しやすい

 ジャンパー線とはMDFやIDFでケーブルを接続する細い線です。MDF・IDF内ではケーブルを損傷する可能性が低いため最低限の被覆だけです。その代わりに取り回しがしやすくなっています。
 しかしセキュリティの面では貧弱この上ありません。

問題2:端子部分も盗聴しやすい

写真1の○部分はNTTからのケーブルの端子部分です。この部分は特に盗聴が簡単です。

対策1:「ジャンパーがけは屋内ケーブルでお願いします」と伝える

 大事な回線のジャンパーがけはジャンパー線を使わず屋内ケーブルで行うと抑止・発見に役立ちます。屋内ケーブルはジャンパー線と色が違い太いので目立つからです。工事に来た方に「ジャンパーは屋内ケーブルで」と伝えて下さい。

専用部の構造

 IDF(EPS)からテナント内迄は配管かOAフロアでつながっています。
テナント内は

のいずれかの方式で配線します(詳しくはこちら)。いずれも盗聴への決定的な対応方法はありませが、抑止効果のある方法はあります。

専用部の問題と対策

問題1:ケーブルの途中で盗聴される

ケーブルの途中を剥き、別のケーブルをつないで盗聴する事ができます(写真2)。OAフロアならば床下で、モールを使った配線でもモール内ですればわかりません。

写真2 電話用ケーブルに別ケーブルをつなげて盗聴する

対策1:あえて屋外用ケーブルを使用する

屋外用ケーブルは硬く厚みがあるため、屋内用ケーブルに比べてケーブルを剥くのが大変です。また黒いケーブルの為電話用ケーブルとわかりにくいです。
 そこで屋外ケーブルを重要回線の配線に使用するのは一つの対策になります。

問題2:配管内・ダクト内で盗聴される

配管内・ダクト内では配線をつなぐ事が多くあります。これは施工上必要があって行う場合もありますが、そうでない場合もあります。

対策2:古い配線はできるだけ抜き、新しい配線を引いてもらう

 配管には以前使用していた配線の残骸が残っている事があります。これは盗聴用の配線にも使えますし、配線ルートの把握をしづらくします。古い配線には配管のさびや汚れ・配管に溜まった水が長年付着し、抜けなくなる事もあります。
 そこで配線の残骸をできるだけ抜き、配線の不正使用を防ぎ配管を長く使える様にする事をお勧めします。

問題3:ケーブル内の空き線で盗聴される

 電話のケーブルは1本のケーブルの中に複数回線分の細いケーブルが入っています(写真3)。この空きケーブルを悪用し、重要回線の情報を盗聴する事が考えられます(写真4)。

写真3 電話のケーブルの中身 電話回線3回線分のケーブルが入っている


写真4 ケーブル内の空きケーブルを用いて盗聴

対策3:配線には2本1対しか入ってないケーブルを使う

2本1対しか入ってないケーブルを利用すれば、空きケーブルがないですから写真3のような事はできません。

問題4:差込口で盗聴される

通常はケーブルに差込口(写真5)をつけます。この差込口の内部では別のケーブルが簡単につなぐ事ができます(写真6)。

写真5 電話用の差込口の内部


写真6 差込口内部で盗聴

対策4:差込口を鍵のかかる所に置く・差込口をつけない

鍵付き19インチラックのような場所に差込口を入れておきます。
 またはケーブルに差込口をつけずコネクターをつけてしまいます(写真7)。こうすると別のケーブルをつなぐ事ができません。

写真7 電話用ケーブルにコネクターを取り付け

最後に

 ここまでする必要があるかというと疑問ですが、こういった場面に出会ったら疑ってみる必要があります。但し写真6は通常の電話工事で普通に行っていますので気をつけて下さい。
 もしこれでも不安でしたらこちらをご覧下さい。

複合専門家

「複合専門家」がさらなる経費削減・業務改善を可能にする

これからの情報通信設備に必要な「複合専門家の力」

最近の情報通信設備は複数の分野がどんどん絡みあい、現在では色々な分野でLANのネットワークを利用しています。それは既存の設備に乗せたり、新たなネットワーク設備を利用したりと様々です。
それぞれの設備は業者毎に独自に取り付けたものですし、担当者も全て同じではない事が多いので、システム全体で見ると無駄な使い方がされています。しかし複数の分野を横断的に見る事のできる人でないと無駄を探すのは大変です。
そういった無駄をなくし、システムをわかりやすくし、問題が発生しにくい、発生しても問題点の発見を早くし解決を早くする「複合専門家」の力を持つ業者が必要になっています。

二分野を知る専門家一人と一分野を知る専門家二人の違い

図1の様に1つの専門分野しか知らない人が集まっても、2つの専門分野を「合わせる」事しかできません。

図1 一分野を知る専門家が二人の場合

一方2つの分野を知る専門家は2つの分野を混ぜ合わせて1つの新しい分野の様に取り扱います。一分野を知る専門家二人が構築した設備の非効率な部分を探し出す事ができますし、それぞれの分野の特徴を活かした提案もできます。だからこそ複数の分野を知る専門家が設備を見直す事が役に立つのです。

図2 二分野を知る専門家が一人の場合 紫色は1+2とは違う新しい分野になってしまう

複合専門家によって何がよくなるか

複合専門家が情報通信設備を見直すと次の様な改善点が出ます。

通信経費の削減ができる

電話回線・インターネット回線共にうまく共用すれば回線数は絞り込めます。特にこれまで手つかずだったデータ通信分野の回線見直しによって通信経費の削減を行います。

打合せにかかる時間が減る

複数の業者と打合せをしていたのが弊社1社との打合せで終わりますので打合せにかかる時間が減ります。また弊社と他の業者とが打合せがある場合にも専門的な部分責任分界点をどうするかという面倒な問題も弊社が積極的に受けますので、そこでの調整時間もいらなくなります。

設備数が減る為管理が楽になる

複数の分野で別々に用意していた機器を1つにまとめますので機器の数が減ります。その為管理が楽になります。そして機器を置く空間が減りますのですっきりします。タコ足も減るので電源の問題が軽減されます。

変化・拡張への柔軟性が上がる

複数の分野に精通していると分野間のつながり方も推測しやすくなります。そのため拡張しやすい設備設計ができます。

依頼できる「ついでの仕事」の幅が増える

例えばネットワークの仕事でお客様の所にお伺いした所、「電話機つけてよ」と急に別分野の仕事を依頼される場合があります。普通であれば別の業者の仕事になりますが、複合専門家ですとその場ですぐに対応できます。仕事は2回よりも1回にまとめた方が早く安く済みます。ただ他の現場の関係で次回の作業になる事がありますが、その際はご容赦下さい。

思いがけない提案が期待できる

社内にある全ての問題を必ずしもお客様が見つけ出せる訳ではありません。ある程度の専門知識・商品知識を通さないと見えてこない問題が多くあります。その問題点を改善すると会社にとってプラスになるのですが、ではどこの業者に聞けばいいかというと知りようがありません。複合専門家は複数の分野に精通していますが、お客様はその全ての分野を利用している訳ではありません。逆に言えば別の分野の専門家の目を無料で利用している様なものです。そこでもし問題点が発見されればその問題点と解決方法をご紹介致します。その中で採用した方がいいと思うものがありましたらこれまでの業者でも弊社でも他の会社でもご依頼して頂ければと思います。

色々な分野のセカンドオピニオンを聞く事ができる

セカンドオピニオンはお医者さんでなくとも必要です。複数の専門家から話を聞くと色々な刺激になります。私達は複数の分野について役務の提供をしています。お客様はその中で好きな分野にご依頼をして頂ければ、他の提供できる分野についてもセカンドオピニオンとして情報提供をさせて頂きます。

内線IP電話で拠点電話を効率化

内線IP電話機を利用して出張所の電話を効率化

出張所を多く持ち、それぞれに数人しか人を置かない会社様もあります。
出張所の方との連絡は携帯で、という方法もあるでしょうが、問題も多いと思います。
そういった場合には内線IP電話機を利用すると便利です。

内線IP電話機の仕組み

内線IP電話機の構成概要は図1の様になります。

図1 内線IP電話機の構成概要

内線IP電話機はネットワーク端末の為、どこでも同じ様に使用できます。

導入例

私の携わった導入例ですが、本社にコールセンターがあり、通話録音システム・着信応答システム・着信分配システム・留守番電話システム・電話応答履歴管理システムを構築していました。
 導入後地域密着の営業所をいくつか開設したい。営業所は人が少なく不在の事もあるので電話に出る事ができないときや不在の時に本社で代わりに電話に出たいという要望がありました。そのため営業所に内線IP電話機を設置しました。 これにより各営業所は電話に出れないときも不在の時も本社コールセンターのバックアップを受ける事ができ、コールセンターシステムも同じ様に利用できました(図2)。

図2 内線IP電話機導入例

問題点は使用している交換機は営業所のある地域の電話回線を収容できませんでした。そこで営業所の電話番号はフリーダイヤルを使用しました。そのため都内に本社・神奈川と埼玉に営業所という構成でも全く問題ありませんでした。

内線IP電話機ならではのメリット

各拠点の内線IP電話機は通常のビジネスフォンとほとんど全く同じ様に使えます。これにより例えば次の様なメリットが出てきます。

メリット例1:出張所に誰もいなくなった時には本社で電話を受けてもらえる
メリット例2:本社で受けた電話を保留して出張所に転送できる
メリット例3:出張所で受けきれなかった電話を本社で代わりに受ける
メリット例4:出張所の電話用回線が不要になる

これは携帯電話やボイスワープではできない大きなメリットです。

内線IP電話機のデメリット

内線IP電話機は電源が必要
内線IP電話機はLANケーブルで交換機と接続されています。LANケーブルは標準では電気の供給機能がありません。そのため各内線IP電話機に電気を供給するために
 1:電源供給機能を持ったハブを利用する
 2:ACアダプターを利用する
のいずれかが必要です。数台であれば2でいいのですが、台数が多い場合には1を選択しないとコンセントが足りなくなると思います。
 1の場合には必ず予備のハブを準備して下さい。電源供給機能を持ったハブは手に入りにくいからです。ハブが故障して数日間電話が使えないという事も起こりえます。

海外への電話料金を激減させる内線IP電話機

詳細はこちらに記していますが、メーカーによっては交換機のない拠点の電話回線も交換機に収容できます。そのため海外への電話をその国の国内料金でかける事が可能です。しかも発信方法は国内の場合とほとんど変わりません。
 特定国への電話料金が高い場合には検討の価値があると思います(図3)。

図3 海外拠点の電話回線を利用した通話で電話料金を削減

データ回線との統合で通信経費が0に

どんな小さな出張所でも本社とのデータ通信は行います。このデータ通信用回線を音声通話でも利用すれば電話用の回線費用は無料になります。内線IP電話機の台数が多くてデータ通信を圧迫しない限りはこの運用で十分です。
データ回線は統合したいがネットワークは分けたい方はこちら

内線IP電話機導入に関する注意点

メーカーによって性能が全く違う

 メーカーによって性能が全く違いますのでできるだけ多くのディーラーから話を聞き機能の違いを確認した上で導入して下さい。
 ネットワークに強い電話工事業者は少ない ネットワークに強い電話業者は残念ながら少ないです。電話業者は専門が電話ですからIPというネットワーク分野には強くない人が多いです。設定をしている人は「設定の仕方は知ってるがネットワークの構築はできない」という場合が多く、構築ができる人は個人的に勉強をしてできるようになったという場合が多いようです。
 大手のベンダーであれば対応可能ですが、中小の電話工事業者に比べ金額はずっと高くなります。

INS1500やひかり電話を利用したセキュリティ対策

INS1500やひかり電話を利用したセキュリティ対策

 こちらでも書きましたが、建物内でのメタル回線の盗聴は比較的簡単です。一方で光ファイバーの盗聴は難しいです。
 そこでNTT東西やソフトバンクが提供する「INS1500」、NTT東西が提供するIP電話である「ひかり電話」を利用するのも対策の1つです。
 いずれもNTT局舎から交換機の手前まで光ファイバーが配線され、交換機の手前からメタルケーブルに変換されます。そのため建物内での盗聴は非常に難しくなります。
 特徴はINS1500はINS64とは別の規格ですので、導入には機器の追加が必要になりますが、スーパーG3FAXには対応しています。
  IP電話はINS64の規格で交換機に収容できますので、既存のINS64用設備を使う事ができます。しかしスーパーG3FAXには対応していません。

専用線・重要回線を守りましょう

専用線も気をつけないと安全ではないんです

「専用線は安全」と思ってませんか。残念ながらそうでもないんです。NTT局舎内はNTTがしっかり管理しています。NTT局舎内までの配線も管理が行き届いているので難しいでしょう。

しかしビル内の盗聴は大丈夫ですか?光ファイバーの専用線であれば光ファイバーを切断して分岐パーツを接続させないと盗聴は難しいですが、メタル回線ですと盗聴は簡単です。

ここではビル内の盗聴対策を書きます。専門の方で「これはちょっと」という部分がありましたらご指摘下さい。

共用部と専用部で対策を変える

電話回線の盗聴対策は共用部と専用部に分けて対策を立てると効果的です。

共用部の構造

ビル内の電話回線は図1のようになっています。
 MDFにはNTTから来た電話回線が引き込まれます。
 IDFにはMDFからのケーブルとテナント内へ引き込むケーブルが集まります。
 電話回線はNTT局舎内から電話機・電話交換機まで1本の線で引いている訳ではなく、途中途中で線をつないで配線しています。MDFーIDF間にもあらかじめ配線がしてあり、この配線とNTTからの線をつなぐ事で電話回線を短時間で配線します。
 MDFは施錠してある事が多いです。しかしIDFには施錠してない事が多いです。そのためIDFは盗聴ケーブルの敷設がしやすいです。一方でMDFの中はケーブルの量がとても多く、この中で盗聴用ケーブルがあるとしても探すのは大変です。
 そして MDFでケーブルを調べるのは大変です。 古くなったケーブルも多いので探している最中にどこかの回線を断線させてしまう可能性もあります。
 テナントビルの場合、悪意のある会社が別の階にテナントを借り、盗聴ケーブルを見つからない様につなぎ、自社のテナント内で盗聴データを取得・・・なんて事も可能になってしまいます。

共用部の問題と対策

問題1:ジャンパー線では盗聴の仕組みが簡単にできる

ジャンパー線とはMDFやIDFでケーブルを接続する細い線です。MDF・IDF内ではケーブルを損傷する可能性が低いため最低限の保護しかしてなく、その代わりに取り回しがしやすくなっています。
 しかしセキュリティの面では貧弱この上ありません。

対策1:「ジャンパーがけは屋内ケーブルでお願いします」と伝える

大事な回線はジャンパー線を使わず屋内ケーブルでがけをしてもらう様にしましょう。太くてかさばってしまいますが、目立つので変にいじる事ができません。

対策2:マルチがけのテナントを避ける

屋外線ケーブルを用いた専用線の配線

室内での盗聴対策

屋外線は硬く厚みがあるため、屋内線に比べてケーブルを剥くのが大変です。また屋内用電話配線と異なり黒いケーブルの為わかりにくいです。

配線は1Pを使う

電話の配線は1本のケーブルの中に複数回線分のケーブルが入っています(写真1)。このケーブルを悪用し、空いたケーブルで専用線情報を他に流す事ができます(写真2)。  これらの処置だけでも室内での盗聴対策

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